虫歯治療

虫歯治療風景
Caries

当院の虫歯治療

虫歯の原因となる細菌はミュータンス菌と言われており、歯垢(プラーク)に含まれています。ミュータンス菌が糖分やタンパク質を分解し、それによって排出される酸などが、歯のエナメル質やカルシウム、リンなどの成分を溶かして虫歯を作ります。

初期(歯の表面の虫歯)の段階で治療を行えば、ほとんど痛みを感じず、歯にも大きなダメージを与えずに治療ができます。しかし、痛みがないためご自身では発見しづらいので、定期検診をお勧めいたします。初期の段階であれば、その場の簡単な処置で治療が完了するケースもございますので、患者様にとっても負担がありません。

マイクロスコープを
用いた精密治療

マイクロスコープを覗く院長

虫歯に侵されている部分以外は極力削らないために、肉眼の約20倍まで拡大して見ることができるマイクロスコープを使用した虫歯治療を行います。削る部位を極力少なくすることで、歯や神経を残せる可能性を高めることができ、自身の歯を長持ちさせることができます。

虫歯について

虫歯とは

虫歯の模型

お口の中に生息する虫歯菌は、飲食物などの糖分を摂って酸性の物質を出します。この酸によって歯が溶ける現象が「虫歯」です。虫歯は初期には痛みがないので気付きにくく、大きく穴が開いたり、神経で炎症が起きたりするまで気づきにくいことを特徴としています。

虫歯の原因

砂糖とケーキの模型

虫歯の発症はお口の中の「細菌」、「糖分」、「歯質」、「時間」に左右されます。
誰であってもお口の中に細菌はいますが、お口のケアが不足すると細菌が増えて酸を出し、歯を溶かします。この現象を脱灰と言いますが、人体には本来、脱灰を食い止める再石灰化という作用があります。しかし、糖分の接種が多い場合や、糖分がお口の中に長く存在する場合、歯質が弱い場合は脱灰が先行して虫歯になるのです。

  • 細菌

    虫歯は細菌が出す酸で歯が溶ける疾患なので、お口の中に虫歯菌が多いほど虫歯リスクが上がります。

  • 糖分

    糖分が多い飲食物を好んで摂っていると、虫歯菌が活発に活動するので虫歯のリスクが上がります。

  • 歯質

    歯質が弱いほど虫歯が発症・進行しやすいので、歯科医院のフッ素塗布を定期的に利用して歯質を強化しましょう。

  • 時間

    食後に歯磨きなどをするまでの時間が長いとお口の中に糖分が長く存在するため、虫歯リスクが上がります。

虫歯の進行度合い

  1. Flow01

    初期の虫歯

    初期の虫歯の図

    歯の表面がわずかに溶け出した初期の虫歯です。歯は削らずに、フッ素塗布と正しい歯磨きを通じて、歯質の再石灰化をめざします。

  2. Flow02

    エナメル質の虫歯

    エナメル質の虫歯の図

    歯の表面のエナメル質に穴が開いた状態ですが、痛みなどの自覚症状はありません。細菌に感染した部分だけを精密に削り取り、詰め物をして進行を防ぎます。

  3. Flow03

    象牙質の虫歯

    象牙質の虫歯の図

    歯の内部の象牙質に細菌が達しています。神経に近いため、甘いものや冷たいものが歯にしみる可能性があります。虫歯を削ったうえで、詰め物や被せ物を取り付けます。

  4. Flow04

    神経まで侵された虫歯

    神経まで侵された虫歯の図

    最近が神経(歯髄)にまで達しており、激しい痛みや顔の腫れなどを引き起こす原因になります。歯を残すには、神経を取り除いて清掃・消毒をする根管治療が必要です。

  5. Flow05

    歯の根まで達した虫歯

    歯の根まで達した虫歯の図

    歯のほとんどが虫歯によって溶けてしまい、根の部分だけ残った状態です。多くのケースで抜歯が必要になります。その後は、ブリッジ、入れ歯、インプラントなどの治療を行っていきます。

根管治療

根幹治療の模型

虫歯が悪化して神経が侵食された場合、「根管治療」が必要となることがあります。「根管」とは歯の神経や血管を包んでいる組織です。炎症を起こしたり壊死したりした神経を抜いても、根管に感染が残っていれば、歯の根で炎症が起きて抜歯にいたる可能性が高まります。そのため、根管治療では神経を抜いた後に根管の内部を清掃・消毒し、神経を抜いたことでできた空間を埋めて、再度炎症や痛みが起きることを防ぐのです。

根管治療を求められるケース

歯髄炎

虫歯の侵食が歯髄(歯の血管や神経)に及んで炎症が起きた状態を「歯髄炎」と呼びます。この段階では食べ物の温度差がしみたり、痛みが出たりします。軽度であれば神経を残せる場合もありますが、回復が見込めない不可逆性歯髄炎であれば神経を抜きます。

歯髄の壊死

歯髄炎を放置すると、やがて歯髄は壊死します。感覚を伝える機能を失うので、温度差でしみる感覚や痛みを感じなくなります。また、この状態になると歯が次第に黒ずんできます。虫歯だけでなく、ケガによって起きることもあります。

根尖性歯周炎

根尖性歯周炎のレントゲン写真

虫歯が重症化した場合や歯周病が悪化した場合などは、歯を支えている骨の内部でも炎症が起きます。歯の根の先端部分で炎症が起きた状態を根尖性歯周炎と呼びます。
根管治療を行っても、根管内部の洗浄や消毒、封鎖が不十分だった場合、根尖性歯周炎になることがあります。

マイクロスコープを用いた根管治療

マイクロスコープを覗く院長

歯科の治療は非常に細かく、1ミリ以下の精度を要求されることが多いので、肉眼だけでは十分な処置ができません。そのため当院では、マイクロスコープを使って、拡大視野での治療を行っています。
マイクロスコープを使うと細かい部分を見落とすことがなく、効率よく治療ができますし、再治療のリスクを低減することができます。

虫歯の予防を目指して

虫歯予防レクチャー風景

虫歯や歯周病を避けてお口の健康を守るためには、毎日のセルフケアと歯科医院で行うプロケアを、両輪で続けていくことが重要です。
予防のために当院にお越しいただければ、それぞれの患者様のお口の状態を踏まえたブラッシング指導を行います。皆様の大切な歯を守れるように、しっかりとサポートしていきます。